徳島県は、四国最大級の吉野川をはじめ大小約500もの河川が流れており、特に県庁所在地である徳島市には、134本もの川が流れています。
また、河川だけでなく、渦潮で有名な鳴門海峡や「日本の滝100選」にも選ばれる滝、「阿波の名水」と呼ばれる各地の名水、そして温泉など、水に関わる観光資源も盛りだくさん。
今回は、そんな徳島県の魅力や訪れてほしいスポットについて、徳島県観光協会の新見香子さんにお伺いしました。
徳島県観光協会
新見 香子さん
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海、山、川の豊かな自然に囲まれた徳島
──まずは、徳島県観光協会様の日々の活動内容について教えてください。
新見香子さん(以下、新見さん) 私たちは、大きく分けて「観光振興事業」「コンベンション振興事業」「県立施設の管理運営事業」の3つの事業を行っています。
特に「観光振興事業」では、徳島県の観光振興や誘客促進のため、徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」の運営およびSNSでの情報発信や観光案内、観光パンフレットの発送等を行っております。
──徳島県の特徴について、水に関わる資源を中心にお伺いできますか?
新見さん 徳島県は、大きく3つのエリアに分かれており、大鳴門橋を渡ってすぐの鳴門市や、県庁所在地である徳島市などがある「東部エリア」、太平洋に面していて美しい海岸線が続く「南部エリア」、スケールの大きな渓谷や山々が広がる「西部エリア」があります。
海、山、川の豊かな「自然」に囲まれているので、その恩恵を受けた「食」や「文化」、「景色」など、見どころばかりなんです。
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阿波の名水が育んだ食
──実は、知る人ぞ知る「名水どころ」でもあるんですよね。
新見さん そうですね。東部エリアの「高根悲願寺の名水(神山町)」、南部エリアの「歩危峡の湧水(那賀町)」、西部エリアの「竜ヶ岳の名水(三好市)」など、各地にさまざまな名水があり、古くから飲料水などに使用されています。
特に、徳島市の中心部にある「眉山」から湧き出る眉山湧水群は有名ですね。その中でもおすすめなのは、阿波藩主蜂須賀公が愛飲していたとされる「錦竜水」です。
硬度が高くミネラル分に富み、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを多く含むのが特徴で、「コクとまろやかさのある水」と言われており、上水道が普及するまでは「市民の飲料水」として売られていました。
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──こちらの「錦竜水」を使用されたお菓子があるとお伺いしたのですが。
新見さん はい。阿波藩主の御用菓子だった「滝の焼餅」に、錦竜水が使用されています。
この焼餅は、400年前から変わらない手づくり製法で作られ、小豆を炊き上げるなど素材にこだわったやさしい味わいが人気です。
和田の屋本店では、眉山が見せる四季折々の表情を見ながら「滝の焼餅」を楽しめます。
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──滝の焼餅以外にも、水にこだわった名産品があれば教えてください。
新見さん 「貴吹川」は、四国一の水質を誇る「穴吹川」の源流水と、徳島県産米で造り上げた特別純米酒です。清涼感のある水色の瓶が印象的で、冷やして飲むのがおすすめです。
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「水波女命(みずはのめ)」は、海部川の源流域にある「轟の滝」に鎮座する土地の水神様である水波女命(ミズハノメノミコト)が由来の純米原酒です。
轟の「水」と海部川流域で栽培された「米」で造り上げられていて、素材の持ち味を最大限に味わっていただくために、一切加水調整をしていません。
鮮やかな青色の瓶に、藍色の阿波和紙ラベルが目を引く、こだわりの地酒です。
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「日本三大暴れ川」吉野川が生んだ景色とスポーツ
──四国最大級の河川である吉野川ではラフティングも人気だと聞きました。
新見さん 徳島県を西から東に流れる四国三郎・吉野川は、「日本三大暴れ川」の一つに数えられるほどの激流として知られており、その上流にあたる大歩危・小歩危で行われるため爽快感抜群です。
大歩危・小歩危は、水量や水の勢い、水深、起伏に富んだ地形などのすべてが、「このスポーツのためにあつらえられたようだ」と、多くのラフティング愛好家から絶賛されています。
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──「大歩危・小歩危」とは何でしょうか?詳しく教えてください。
新見さん 「大歩危・小歩危」とは、2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によって創られた約8kmにわたる溪谷のことです。
大理石の彫刻がそそりたっているかのような美しい景観を誇り、初夏の新緑や鮮やかな紅葉、幻想的な雪景色など四季折々の渓谷美を楽しむことができます。
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「大歩危峡観光遊覧船」では間近に景色を堪能することができますよ。
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さらに、吉野川の支流「祖谷川」にかかる「祖谷のかずら橋」は、国の重要有形民俗文化財にも指定されている日本三奇矯のひとつです。シラクチカズラという植物で作られた長さ45m・幅2m・水面上14mの橋は、一歩踏み出すごとに軋んでユラユラと揺れるため、スリル満点なんです。
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祖谷のかずら橋から車で約1時間ほど行った先にある「奥祖谷二重かずら橋」も必見です。
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──吉野川でのイベントには、どのようなものがありますか?
新見さん 徳島市で開催される、川と親しみ、川の魅力を知り、川と遊ぶことを目的としたお祭り「吉野川フェスティバル」があります。
吉野川ライブやダンス、花火、阿波おどり、グルメ屋台やキッチンカーなど、カップルからファミリーまで楽しめるイベント等が盛りだくさんのお祭りとなっており、7月末に3日間開催されます。
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※こちらは2023年のものです
──吉野川以外のイベントについてもお伺いできますか?
新見さん 水都・徳島市の魅力を体感してもらう「Retra!水都祭」や、「一本乗り(=丸太に乗りトビでバランスをとりながら那賀川を下る伝統技能のこと)」を復活させた「木頭杉一本乗り大会」といったイベントも。
さらに、県内各地にほたるの名所があり、ほたるの見頃に合わせて、ほたるまつりも開催されます。
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鳴門の渦潮だけじゃない!立ち寄ってほしい絶景スポット
──続いて、海についてのお話もお伺いしたいのですが、徳島では、今どんなマリンスポーツが人気ですか?
新見さん シーカヤックやSUP(ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくスポーツ)、スキューバダイビングなどが人気です。
特に海陽町の竹ヶ島周辺で体験できるシーカヤックは、入り江や島々、奇岩が点在しているので、変化に富んだ海の風景を楽しめます。
ゆったりと海上の景色を眺めることができるSUPは、竹ヶ島周辺を含む南部エリアはもちろんのこと、徳島市や鳴門市など、県内各地で行われていますね。
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また、県南部で体験できるスキューバダイビングも人気で、サンゴや熱帯魚など鮮やかな自然の美しさを体感することができます。
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──そしてやはり、「鳴門の渦潮」は有名ですね。
新見さん そうですね。鳴門市と淡路島の間にある幅わずか1.3㎞の鳴門海峡で発生する「鳴門の渦潮」は世界三大潮流のひとつにも数えられており、渦の直径が20mにも及ぶものもあるなど、世界でも最大級のスケールを誇ります。
特に、春と秋の大潮のころは迫力のある大きな渦潮を見ることができますよ。
おすすめの観賞法は、渦の間近まで接近し、船上から雄大な鳴門の渦潮を体感できる観潮船です。
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「うずしお観潮船」が運航している、小型水中観潮船「アクアエディ」では、水中から渦潮を見ることもできますよ。
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鳴門海峡に架かる大鳴門橋の橋桁部分に整備された、海上遊歩道「渦の道」から観賞するのもおすすめです。床の一部がガラス張りになっており、渦の上に立っているような不思議な体験ができます。
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──「鳴門の渦潮」以外におすすめの絶景スポットはありますか。
新見さん 鳴門市の「四方見展望台」から眺めるウチノ海や、透明度の高い海に大小さまざまな島が浮かぶ海陽町・宍喰を代表する景勝地「水床湾」、「うみがめマリンクルーズ」から眺める美波町の「千羽海崖」や「えびす洞」などの絶景スポットもぜひ見ていただきたいですね。
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──絶景といえば、徳島には日本の滝100選に選ばれた滝もありますよね。
新見さん はい。落差が58mもあり大地を震わすような瀑音を轟かす「轟の滝(海陽町)」や、水量が多く徳島県屈指の名瀑と言われる「大釜の滝(那賀町)」があります。
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また、「雨乞の滝(神山町)」も日本の滝百選に選ばれていますね。雄滝と雌滝の2つがあり、落差は雄滝27m、2段になって落下する雌滝は45mもあります。
この滝に辿りつくまでにも多数の滝があるので、美しい自然を求めて訪れるハイカーの方も多い場所です。
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目でも楽しめる温泉が各地に
──徳島ならではの、海や川が見える温泉も魅力的です。
新見さん そうなんです。徳島県内には海や川を眺めながら入ることができる温泉がたくさんあります。
例えば、東部エリアの「ベイリゾートホテル鳴門海月」では、大浴場から鳴門海峡に架かる大迫力の大鳴門橋を眺めることができます。泉質は重層分が豊富な「美肌の湯」です。
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月ヶ谷温泉 月の宿には、1F(木で浴槽縁を覆った浴槽)と2F(岩風呂)でそれぞれ趣の違う、温泉入浴ができます。どちらも勝浦川を一望できます。
奇数日・偶数日で男女浴槽が入れ替わります。営業日は公式ホームページでご確認ください。
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南部エリアの「なさ地呂温泉(ふれあいの宿 遊遊NASA)」は、太平洋の超深層1,000mから湧き出る天然温泉で、とろとろの湯触りが人気です。
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西部エリアの「和の宿 ホテル祖谷温泉」は、ケーブルカーでいく源泉かけ流しの露天風呂に、川のせせらぎを感じながら入ることができます。
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「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」では、露天風呂から眼下に大歩危渓谷がご覧いただけます。
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──最後に、読者の方にお伝えしたいことはありますか?
新見さん 徳島と言えばやはり「阿波おどり」。お盆期間に開催される「徳島市の阿波おどり」が全国的に有名ですが、鳴門市や三好市などでも開催されています。
そして実は、春の「はな・はる・フェスタ」や「秋の阿波おどり」でも、阿波おどりを見ることができます。天候を気にせず見たい方は、屋内で阿波おどりを楽しめる「阿波おどり会館」もありますので、ぜひ訪れてみてください。
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徳島県観光協会では、これからも徳島県の観光振興や誘客促進のため、さまざまな取り組みを進めていきたいと考えております。
本県の魅力を少しでも皆さまに知っていただければと思いますので、ご興味のある方は、ぜひ徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」をご覧ください。
一般財団法人 徳島県観光協会
〒770-8055 徳島県徳島市山城町東浜傍示1番地1
TEL:088-652-8777
FAX:088-625-8469
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