株式会社TKS(以下、TKS)は、岐阜県岐阜市にある水関連技術の企業です。
1965年、岐阜県山県市(旧:美山町)で創業。2010年からウルトラファインバブルを研究・開発し、その技術を応用したシャワーヘッド等の企画・開発・製造販売を主に展開しています。
今回は、TKSの広報・佐藤 怜位子さんにウルトラファインバブルの可能性についてお話を伺いました。
株式会社TKS
担当者 佐藤 怜位子 さん
広報部
TKSってどんな会社?
——御社の魅力について教えていただけますか。
佐藤 怜位子 さん(以下、佐藤さん) 弊社の魅力は「歴史に根ざした技術力と人」だと考えています。
水に関連した技術を極めてきたメンバーで、シャワーに限らず水の可能性を追求しています。
これまで地道に研究開発をしてきた、その技術で世界に貢献できる新しい可能性を探っていきたい。そう考え、日々業務に取り組んでいます。
——社員の方は、地元の方が多いですか?
佐藤さん そうですね、ほぼ岐阜県出身の方です。人柄が良く、前向きで穏やかな方が多いです。
何かあっても誰かを責めるとか、そういう会社ではないです。何か起こったときは「そんなことがあったんだね、じゃあこうしていこう、じゃあ私はこれをやるよ」と、助け合って解決していける、そういった前向きな雰囲気がある会社です。
水の未知の力を信じて
——素晴らしいですね。企業理念の「水の真の力を最大限に」という言葉について、詳しくお聞きしたいです。
佐藤さん この「真の」という言葉は、今まだ誰も知らない「未知の能力」をイメージしています。「まだまだ、水の本当の力は活用しきれていない」という考えで未来をひらいていきたいですね。
——そうなんですね。未知といえば、ウルトラファインバブルもまだ解明されてない部分があるとお聞きしましたが。
0.001mm(=1μm)未満の泡のこと。TKSの主力商品であるシャワーヘッド「Bollina(ボリーナ)」は、最小で0.0001mm(=0.1μm)の超微細気泡を作り出すことができ、シャワーを浴びるだけで「洗浄」「保湿・保温」「節水」等の効果を得られる、ロングセラー商品。
※「FINE BUBBLE/ファインバブル」、「ウルトラファインバブル」「FBIA」のロゴは、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)の商標登録です。ファインバブル技術はFBIAが普及を進めている先端技術です。
佐藤さん そうなんです。ウルトラファインバブルを使用したときの洗浄・保温・保湿などのデータは第三者機関で取れているのですが、まだまだ未知の部分が多い技術なんです。
先日、この「ウルトラファインバブルを含んだ水を摂取すると2型糖尿病の予防と改善が示唆された」というプレスリリースを配信しました。
メカニズムに関しては継続して取り組んでいますので、現時点は明確にできていない部分もあります。
なんとか一般的に活用できるよう、今までの知見を生かして研究を引き続き進めて、皆さまのお手元に届くようにしたいです。
日本の成人の糖尿病患者の95%以上は2型糖尿病だと言われています。
実用化ができたらすごく手軽に糖尿病の方にも摂取していただけますし、(糖尿病)予防にも期待がかかっていますから。
「水の真の力を最大限に」とは、つまり「身近にある『水』が、こんなにも人の役に立つんだよ」ということ。この考えを広げたく、日々活動をしています。
TKSのシャワーヘッドは、他とはどう違う?
——ウルトラファインバブルが出るシャワーヘッドも、今では市場でよく見かけるようになりました。他社製品と比べてTKSさんの商品はどのような点が強みだと思いますか?
佐藤さん はい。水栓メーカー発ということもあり、非常に作りがしっかりしていて、メンテナンス性もよく考えられているので、長い間愛用していただけるというところですね。
あとは節水の技術も高いです。弊社の製品は、ミストではない通常のシャワー水流で節水率が最大約50%でウルトラファインバブルが発生します。ここは強みだと思います。
そして、一番大事なのは「リーズナブル」であること。
今では5〜6万円のシャワーヘッドも珍しくなくなりましたが、10年前から先駆けてウルトラファインバブルシャワーヘッドの企画開発を行ってきた当初から、多くの方に手に取っていただきたいという思いがあります。
少しでもお客様の生活を豊かにできたらということで、今でも1万円台から購入できます。
——しかも節水ができるから、年間の支出で見ると決して高くは無いですよね。更に美容ケアだってできてしまうという。
佐藤さん そうですね。「鼻の角栓がとれた」とか「背中のざらつきがキレイになった」等のお客様の声をいただいたりとか。
——それは感動しますね。
佐藤さん はい、本当に嬉しいです。シャワー水流にウルトラファインバブルが入っているので、あとはいつも通り浴びていただくだけで良いんです。
小さなお子様から子育て中の方、美容にご興味のある方、男性やご高齢の方まで嬉しいお声をたくさんいただいています。
美容目線だとミストというのは非常に魅力的なんですが、あくまでも弊社は美容機器としてではなく「美容ケアができるシャワーヘッド」というところがポイントです。
——もっと「人の生活に寄り添っている」ということですね。
佐藤さん まさにそうです。また、弊社のものはシンプルな作りにしてあるので、軽くて使いやすいと思います。
実際、ご自宅で介護をされているユーザーの方から、お風呂でお母様の介助をするときに「時間が短くなった」「温まりやすくなった」「取り回しが良いところが助かる。ありがとう」などのメッセージをいただいております。
世の中の役に立っていること。それが1番
——会社として大切にしている価値観、醍醐味などについてお聞かせください。
佐藤さん 大切にしている価値観は誠実であること、(事業が)世の中の役に立つことです。ユーザーの方に喜びの声をいただけるということは、社会貢献できているということでもあると思うんですが、それが1番ですね。
今は、シャワーに限らずいろんな場面で役に立ちたいという気持ちを会社全体として強く思っています。そのため、「健康」というのが大きなキーワードになりつつあります。
ちなみにフェムテックってご存知ですか?
——はい。最近よく耳にしますね。
Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品・サービスを指す。また、特定のテクノロジーに依存せず、さまざまな方法で女性特有の健康課題をケアする製品・サービスをフェムケアと呼ぶ。
佐藤さん 実は、今年から女性に関するプロジェクトを立ち上げることになりました。
ウルトラファインバブルシャワーヘッドの保温作用や洗浄作用は、冷えやすい女性の体を温めることや、デリケートな女性の肌を洗うことに貢献できる可能性があるのではないかと考えています。
一般的に更年期になると、ホルモンバランスが崩れて肌が乾燥しやすくなり、肌が刺激に敏感になると言われています。弊社の製品の保湿、保温、洗浄作用で、少しでもそういう不調の助けになれないかと考えています。
——それはメンタルの揺らぎにも効きそうですね。更年期に限らず、思春期など他の年代の悩みにも良さそうです。
佐藤さん はい、ニキビの肌にも良いというお客様の声もありました。
——なるほど。だとすると、赤ちゃん・子ども・思春期など若い人、更年期や老年期の方など、全ての年代の方に喜んでもらえますね。
佐藤さん そうですね。それに、男性の方からも頭皮のケアや加齢臭などにも良いと嬉しいお声をたくさんいただいております。
——じゃあ、もう本当に「老若男女」ですね。
佐藤さん そうです。老若男女の美と健康のために、ですね。
企業や地球のサステナビリティにも貢献できる技術
佐藤さん それから、水の技術って環境負荷の低いものが多いんです。
ウルトラファインバブルは洗浄力が高いので洗剤を使う量が減った、節水によって水を使う量だけでなく、それをお湯にするためのエネルギーが減った、とか。
環境への負荷を減らして、地球環境に貢献できる技術。それが水の技術だと思います。
今までは、節水に加えて美容作用のあるシャワーということで、ホテルなどによく導入していただいていました。最近では環境に配慮した製品を選ぶことは企業の責任でもあり、サステナブルなホテルに貢献できる一つのアイテムとして導入していただくことも増えてきました。
——SDGsですね。環境といえば、農業の方でも発見があったそうですね。
佐藤さん そうです。ウルトラファインバブルの水を使えば、連作被害などの農業の課題を改善していける可能性があるとわかりました。
また、トマトを枯らしてしまう「青枯病菌」の対策としても、ウルトラファインバブルが活用できる可能性があります。
どちらの技術も実用化できれば、農家の方の負担を減らせるかもしれません。
佐藤さん 殺菌剤を使うとその費用もかかりますし、場合によっては土壌に悪影響を及ぼす可能性もあります。そうすると、生態系が変わるなど環境にも良くない影響が出てくる。
つまり、安全性の高い『水』がこの問題を改善していける可能性が今回わかったんです。
…もしもこれが、おうちで使えるようになったりしたら最高じゃないですか?
——本当ですね!一般の家庭などで、誰でも使えるようになると最高ですね。
佐藤さん はい。今後はシャワーだけでなく、環境にも優しくてユーザーの方も幸せになれるような商品を展開していきたいと考えています。
でも、良いものを作ってもそれを伝えなければ意味がない。その想いは昔から変わっていません。社員による実演販売なども、その考えからきています。
今まで真摯にものづくりをしてきた、その技術力の高さや誠実さ、素晴らしい製品がここにあると、もっともっと世の中に発信していきたいです。
株式会社TKS
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