岩見沢市は、石狩川水系の豊富な水資源を活かした道内有数の農作物の生産地です。市街地から少し行くと、広大で美しい田園風景が広がります。
札幌や新千歳空港から車で1時間程度という近さのため、観光客の方にもアクセスしやすい立地です。
地元の新鮮な農作物を使ったおいしいグルメだけではなく、宿泊施設やアクティビティも充実。岩見沢市観光協会では、YouTubeやSNSで観光客に向けた情報発信を積極的に行っています。
今回は同協会の西川里美さんに岩見沢市の魅力やおすすめスポットについて、お話を伺いました。
一般社団法人 岩見沢市観光協会
西川 里美さん
クリエイティブ担当主任
食の宝庫、岩見沢
──西川さんは、長年岩見沢市にお住まいなんですか?
西川里美さん(以下、西川さん) そうです、生まれも育ちも北海道岩見沢市です。
就職してからもずっと岩見沢市内の民間企業で働いていたのですが、岩見沢市のためになる何か新しいことに挑戦したいと思い、観光協会に転職を決めました。
──岩見沢市への愛着が強いんですね。
西川さん 実はそうでもなかったんです(笑)。
でも観光協会に入ってから、観光の視点で地域の魅力に目を向けていくうちに、今まで当たり前だと思っていたことはそうじゃなかったんだと気づきました。岩見沢市の魅力を再発見する日々です。
──そうだったんですね!ぜひ西川さんに岩見沢市のアピールポイントについて教えていただきたいです。
西川さん 岩見沢市は食の面で非常に恵まれている地域です。農産物が豊富で、特にお米や野菜が充実しています。
お米は、岩見沢市で誕生した「ななつぼし」が有名ですが、他にも「ゆめぴりか」「おぼろづき」「あやひめ」などがあります。地元のレストランでは新鮮な野菜やお米を使ったメニューを提供するお店もあり、観光やビジネスなどで訪れる方にも好評です。
また、岩見沢周辺は「空知(そらち)地区」と言われており、空知ワインは観光客の方にも人気です。
豊富な雪と水資源が育む「空知ワイン」
──岩見沢周辺には、多くのワイナリーがあると聞いています。その理由は何ですか?
西川さん 岩見沢市は積雪2mを超えるほどの豪雪地帯で、冬の気温は氷点下になります。冬はぶとうの木がすっぽりと雪に埋まってしまいますが、意外にも雪の中は温かいんですよ。
雪が多く積もるからこそ、寒い地域でもブドウが栽培できるんです。また、水資源も豊富で、水質もワイン生産に適しているため、多くのワイナリーが岩見沢・空知に集まっています。
──観光客の方がワインを目的に訪れることはありますか?
西川さん そうですね、ワイン・ワイナリーを目的に岩見沢に来られる方も多くいます。また、映画のロケ地になったぐらい、丘陵地帯に広がるブドウ畑の景観が美しいんです。
ブドウの連なる風景が見られる夏から秋が、特におすすめの時期です。
「宝水ワイナリー」では、ぶどうのソースを使ったパフェも食べられます。市内のレストランでは、ワインと一緒に地元の食材を使った料理も楽しめますよ。
「岩見沢」の地名は、温泉と密接な関係が
── 岩見沢には温泉もあるそうですね。どうやら地名が温泉に由来するとも……?
西川さん 岩見沢市は古来より鉱泉・温泉の湧く土地だといわれています。
昔、開拓使※の工事従事者が岩見沢の北部の宿泊所で浴(ゆあみ)をして疲れを癒していたことから、この地域を「浴澤(ゆあみさわ)」と呼ぶようになったそうですよ。岩見沢の地名は、この「ゆあみさわ」に由来すると言われています。
市内で有名な温泉は、「北村温泉ホテル」と「ログホテルメープルロッジ」内の施設です。北村温泉は、源泉100%のかけ流しで泉質が良く、昔から地元の人にも人気がありますね。
メープルロッジも天然温泉で、森林に囲まれた静かな環境の中でゆっくり過ごせます。フィンランド式の本格的サウナもあり、こちらを目当てに訪れるお客様もいらっしゃるほどです。
※開拓使(かいたくし)は、北方開拓と地方行政を担うために明治2年(1869年)から明治15年(1882年)まで置かれた官庁である。 (Wikipedia)
家族で楽しめる「隠れた名所」とアクティビティ
── 西川さんイチ押しの観光スポットを教えてください!
西川さん いわみざわ公園内にある「見晴台」です。ここは地元の人でもまだ訪れたことがない人もいる名所なんです。
ここ見晴台は「ユニバーサルデザイン」の造りで、高齢者や体の不自由な方でも利用できます。岩見沢の田園風景を眺められ、快晴の日は樽前山(たるまえさん)や恵庭岳(えにわだけ)が一望できますよ。
また、いわみざわ公園内のバラ園も外せないスポットです。無農薬で育てた約630品種8800株のバラが咲き誇ります。
バラの見頃は年2回で、6月下旬から7月中旬頃までと、9月下旬から10月上旬中旬頃までです。室内公園「色彩館」ではゴールデンウィーク過ぎ頃から、つるバラも楽しめます。
──フォトスポットとしても良さそうですね。家族や友人と楽しめる施設やアクティビティはありますか?
西川さん 「北海道グリーンランド」は道内で最大規模の遊園地で、アトラクションの種類が多く一日中遊べます。遊園地で遊んだ後は、メープルロッジの日帰り温泉に入って疲れを癒したり、岩見沢市内で美味しい夕飯を……というのもオススメです。
あとは、メープルロッジの四輪バギー体験や、グランピングなども、非日常が味わえてご家族連れやグループでの旅行で人気ですね。
ご年配の方にも評判なのは、北海道最古の窯元である「こぶ志窯」での陶芸体験です。こぶ志窯独特の青緑色のグラデーションが生まれる、釉薬の海鼠釉(なまこゆう)を使った作品は有名です。自分の手で作る陶芸体験は、旅の思い出になると思います。
岩見沢市民おすすめ!地元食材を堪能できるレストラン
── 旅にはグルメも欠かせません!西川さんのおすすめのグルメやレストランを教えてください。
西川さん そうですね、たくさんあるのですが、生そうめんの専門店「めんめん。」がおすすめです。岩見沢産の小麦を使用していて、乾麺では出せない透明感と弾力がある麺が特徴です。地元の農家さんのお米を使った丼もおいしいですよ。
「Patisserie soraka」の岩見沢産の米粉を使ったグルテンフリーのスイーツもいいですね。見た目も華やかで洗練されているものもあり、焼き菓子、エクレア、ケーキなど、スイーツ好きにはたまらないお店です。
お店は移転リニューアルOPENしたばかりで、カフェスペースでは岩見沢・北海道の食材がふんだんに使われたランチも楽しめます。
── 「いわみざわメロン」も有名ですよね。
西川さん ふるさと納税のメロン部門で上位にランクインするほど人気で、毎年リピートされる方が多くいらっしゃいます。
いわみざわメロンは糖度が高く、とろける赤肉のメロンなので、ぜひおすすめしたい返礼品です。
また市内のCAFE「CAFE STAND PROPELLER」のメニューには「季節のパンケーキ」があり、夏はいわみざわメロンを使ったパンケーキやパフェが食べられます。(その年により変動はあります)
── おいしそうです!おすすめのお土産はありますか?
西川さん 「NORTH FARM STOCK」では、岩見沢や北海道の野菜や果物を使った加工食品が売られており、お土産として人気ですね。
また、駅から歩いてすぐにある「天狗まんじゅう本舗」の天狗まんじゅうは岩見沢市民の定番のおやつで、蒸したてホカホカのものが食べられます。値段もお手頃で、おみやげで持ち帰られる方もいらっしゃいますよ。
名産品を広める新しいイベントで、より魅力ある岩見沢に
── 岩見沢市(観光協会)で、いま力を入れていることを教えてください。
西川さん 自身がクリエイティブ担当ということもあり、WEBやSNSを通じた魅力的な情報発信はもちろん、ふるさと納税返礼品のPRにも力を入れています。食品や工芸品、アクティビティなど約450種類ある返礼品を通して、まずは全国の方に岩見沢を知ってもらいたい。
そして、実際にお越しいただきたいです。
そのためには、「行ってみたい」と思ってもらえる街でなければなりません。地域の魅力を伝えることに、これからも力を入れていきたいと思います。
── 今後計画していることはありますか?
西川さん ワーケーションもできる街として広めていけたらと思っています。コワーキングスペースやゲストハウスは市内にあるのですが、そこまでワーケーションでの利用者が多くないのが現状です。実際の現状を踏まえ、需要とマッチングさせたプラン作りをすることで、今後の可能性はあるのかなと思っており模索しております。
あと、ワインは岩見沢では外せないアピールポイントですので、ワインを絡めたイベントなど新しい企画ができればと考えています。詳細が決まりましたら、SNSツールや各媒体でお知らせします。
── 岩見沢市観光協会のInstagramを拝見しました。どの写真も洗練されていて惹きつけられました!
西川さん ありがとうございます。投稿すると、取り上げたお店の方から「Instagramを見て来られたお客様がいたよ」「お店のInstagramのフォロワーがめちゃくちゃ増えました」などとお言葉をいただくことがあり、やりがいを感じています。
今後も岩見沢市の新しい情報や観光協会の活動をInstagramやXなどで、積極的に発信していきますのでチェックいただけたらと思います。そして岩見沢市に足を運んでくださる方が増えると嬉しいです。
一般社団法人 岩見沢市観光協会
〒068-0034 北海道岩見沢市有明町南1番地1 岩見沢市有明交流プラザ
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